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2009年10月18日日曜日

魔の刻印

・・・彼の名は " ダン " 、太古の昔より伯爵家の執事として長きにわたって仕え、
伯爵が屋敷を出たあとも付き従い・・・その忠実な下僕として、今なお伯爵を影から支えているのである。

しかしその出自は " " に包まれており、彼の素性を知っているのは伯爵ただひとりなのであった。






 ※ 彼の胸に刻まれた " 魔の刻印 " の一部を削り去ることにより、鬼人と化して絶大なパワーを得るのだ。


彼がまだ人間であった頃・・・そう、彼も悠久の昔はただのひとりの人間であった。


ヨーロッパの片田舎の一領主に過ぎなかったのだが、人間たちの醜い闘争に巻き込まれ、
信じていた友人にも裏切られた結果、たったひとりの身内であった娘を無残にも殺害されてしまったのだ・・・


ただ善良な好漢として領地を治めていただけの彼の人生は、そこで180度変わってしまったといえるだろう。


ひとり残された彼にできること、・・・それは全ての財産を投げうって、ある秘術を娘に施すことであった。

もちろん、その当時の技術ではよみがえらせる事は不可能であったのだが、
なんとか仮死状態にまで戻して、時を止める事はできたのだった・・・それを見届けて、彼は復讐に出た!


・・・だが。。。無念にも返り討ちにあって、彼はその儚い生涯を終えることとなる。


~その後、この世に残した恨みのため成仏することもできず、領内を怨霊となって彷徨い、
夜な夜な嘆き悲しむのだが・・・事情を知った伯爵により、新たな人生として共に生きる道を与えられた。


その時すでに、彼の肉体はとっくに朽ち果てており、彼の血の染み込んだ土くれより蘇生したため、
吸血鬼でありながら、一種の " ゴーレム " と化したのだ・・・胸に刻まれた文字はその名残りでもある。



・・・しかし、第二の人生を歩む彼の記憶の多くは、脳にダメージが強かったせいか、
かなりの部分欠損しており、~愛娘が仮死状態で眠っている事さえも、まったく思い出せずにいたのだ。



                                                                        ・・・つづく。




 ナレーション 「・・・やっとのことで、ご紹介することができました~彼が噂の " ダン " さんです w

 まだ本編では姿をみせていませんが、影となって伯爵を支えているヴァンパイア執事なのです。



 以前は伯爵家の執事であったので、当然のことながら~あのマダムとも面識があるわけでして~っ ^^;


 ・・・いろいろと複雑な、伯爵家の内情にもかなり詳しいみたいですよねぇ~っ ♪ (謎)



 ではでは~、またここで、この時間、・・・みなさんとお会いすることに致しましょう w 」



 ※ 夕暮れの中、ひとり哀愁に佇むダンの横顔、・・・はたして彼の失われた記憶がよみがえる日はくるのか。

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