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2010年2月13日土曜日

呉服屋繁盛記⑤

前回は、番頭の善次郎と " 女将 " さんの間で~実は激しい攻防が繰り広げられていたのでございますが、
ふたりの会話のやりとり上だけでは~ほとんどおわかりいただけなかった・・・のではないかと思われます ^^;

※ 呉服屋繁盛記①呉服屋繁盛記②呉服屋繁盛記③呉服屋繁盛記④ ←を、ご参考にどぞ ♪



※ 最近では、善次郎のふたりっきりで~どこかしらに出かけることも増えていたのでございます。


呉服屋の跡取りでもある、ひとり娘のとの恋仲を・・・、

旦那はんはもとより、あの女将さんにも認められたような、

まぁ順調ともいえる立場になった~やり手番頭のまだまだ若い善次郎でありました。


・・・話は、ふたり揃って某SIMで開催されるという " 雪まつり " を見学しに行った時のことでございます。

事前に女将さんより休みをもらって、日帰りではありましたが~そろってその会場へとやって来たのです。


「いや~、めっちゃ綺麗やなぁ~っ、ほらほら、うちらが一番乗りみたいやで w 」


善次郎 「・・・そのようですなぁ~って、そない走ったらお着物が汚れてしまいますよって、お嬢はん。」


 " 雪まつり " も開催直前ということで、立派な雪像も・・・まだそれぞれドームに入ったままであった。


それでも、瞳をらんらんと輝かせ~楽しそうにはしゃいでいると、心配そうに後を追う・・・善次郎

ほどなくドームはいっせいに撤去され、ひとつひとつをじっくりと見物して回るふたり・・・。


「~いやこの雪像すごいわ、足湯になってるやん・・・どないな加工されてんかなぁ~っ?

ほな、せっかくやさかい~さっそく、浸からせてもらおっか・・・、ささっ、はよおいでって、善次郎 w 」


善次郎 「もう・・・かないまへんなぁ~お嬢はんには。。。はいはい、すぐ参りますよって。」


・・・歩き回ってすっかり冷えてしまった身体を、足湯が芯から暖めてくれます。


「なぁ善次郎・・・こないだ、お母はんと一緒に京都行ってきたんやろ?」


善次郎 「へぇ、なんやらご指名されて、お供させてもらいましたなぁ。」


「そうらしいなぁ~でも、あれって・・・あんたを試すテストやったんやで、それ気ぃついてたん?」


善次郎 「・・・まぁ、あの女将さんの事ですから、なんぞはある思てましたけども~ほう、そないなことが。」


そんな会話をしながら、次にふたりは中央に陣取られた大きな " カマクラへと移動し、

やはり暖かなコタツへと入って・・・ぬくぬくと暖をとり~お茶とミカンをいただいたのでありました。


「うち、直接お母はんから聞かされたんやけど・・・あん時、あんたいろいろ誘惑されたんちゃうのん?

なんちゅたらえぇんやろうか・・・その、あの・・・所謂、色仕掛けってやつされたんちゃうん?」


善次郎 「ん?・・・そういうたら、会話の中身とちごうて~やたら身体に触れてきたりとかされましたなぁ。

ほな・・・あれが、試験の内容やったいうこと事か~わては、親のぬくもりを知らんで育ったよって、

これが、母親がする子供に対する普通の態度なんやなぁ~と・・・単純に思ってしまってましたわ (謎)」


「はぁ~善次郎・・・、あんたって鋭いんだか、鈍いんだが~ようわからんとこあるよなぁ。。。

まぁ結果オーライでなんとか合格もろたんやし~それはそれで、よかったって事やわ。」


ごろんとコタツに入って寝転がっていた善次郎の顔つきが、一瞬まじめに引き締まったのでございます!


善次郎お嬢はん、わてはあなたの事を好いてます・・・こないなこと口に出せる立場やないのは、

重々承知してますけど、やはり、ひとりの男としてハッキリとお伝えした方がよろしいかと思いましてな。」


「・・・善次郎。。。ほんまか?ほんまに本心で言うてくれてるんか?

う、うちかて、あんたがそう思ってくれてたらて~ずっと心の奥では考えてたんよ、せやったら嬉しいって。」


善次郎 「ほんまです、お嬢はん・・・誰に頼まれたからやのうて、わての気持ちで言うてますんや。」


「もう!・・・お嬢はんなんて呼ばんといて。。。ふたりの時は " " って呼び捨てにしてえぇんよ。」


善次郎 「ほなら、えぇっと・・・あんず ~お嬢はん。。。あっ、しもた!」


「もう~ほんま好かんお人やわぁ・・・あんたって w 」


・・・う~んと、書いててこっぱずかしいのですけど、どうやらふたりの想いは同じだったようでございます。


こんな楽しいひと時は、あっという間に過ぎ去っていくのが常でありまして~っ、

この " 雪まつり " の会場もとっぷりと日も暮れて、そろそろ帰りの飛行機の時間となりました。


「うちは、今日のこと・・・一生忘れへんよ。。。このたくさんの雪像たちが見守ってる中、

善次郎がうちに言うてくれた言葉、胸に大事に閉まって~これから生きていくねん。」


善次郎 「・・・へぇ、わても忘れることはあらしまへん、今日のことは・・・、

ほな、行きましょか? もう暗いよって、足元に気ぃつけてください。。。お嬢はん・・・いや、その~


「・・・あい w 」


「~なぁ、善次郎・・・うちいまなぁ緊張がとけてきて、めっちゃお腹空いてきたわ~ w

おうち帰ったら、なんかいっぱい美味しいもん・・・うちがお腹いっぱいになるまで~ご馳走してや ♪ 」


善次郎 「・・・ふぅ、やれやれ~やっぱりお嬢はんには、ほんまかないまへんなぁ w 」


こうして、ふたりは恋の階段をまず一歩・・・これまでに比べると着実に~一段のぼった訳でございます ♪



・・・おわり?




ナレーション 「・・・う、うは~っ。。。これのどこが " 呉服屋繁盛記 " なんやねん!って事っすね ^^;


えっと、まぁ内容に関しては・・・ノー・コメントとさせていただきますが w  ←ふれられたくないんか!


~とにかく、若いふたりの今後を・・・これからも暖かく見守っていただけると有難いと存じます。


さて、5回にわたりお送りしてきたこの " 呉服屋繁盛記 " もこれで一応の完結とさせてもらって~、

また後日譚などを・・・単発で発表できればいいなぁって思っています。。。まだ油断ならないですしね (謎)


・・・このままでは、善次郎がただのいい人でおわってしまうし~でも書くと長くなるからなぁ~っ ♪ ←おい


ではでは・・・またここで、この時間に~お会いすることにいたしましょう。」 



※ いくら嬉しくても、雪像を壊してダメっすよ~まぁ、ボール仕込んであったんでOKだと思いますが w

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