その青年は、たまにぷら~っとこの港町に来て、のんびりと辺りをぶらつきながら散歩するのが好きだった。
生暖かい潮風を受けながら、港に隣接する広場にあるステージと噴水の間を抜けていけば・・・
孤独な " 彼 " の遊び場でもあり、また心落ち着ける場所である " 大型クルーザー " が見えてくるのだ。
※ 元は父の所有であったこの帆船も、いまは兄が譲り受けていて、来る機会も極端に減ることとなった。
" 彼 " の名前は " 不知火 " といい、ザーボンにとって年の離れた異母弟にあたる・・・。
生前に、ザーボンの父が外で " 愛人 " にうませた子を強引に引き取り、溺愛して育てたという訳である。
しかし、その実の父である先代当主もいまは亡く・・・実の母親とは幼い頃に別れたきり一度も会っていない。
けして、ザーボンとは兄弟仲が悪いことはなかったのだが、あぁいう忙しい毎日を送っているので、
この不知火とは、すれ違いの日々で~もう何日もまともに口を利くことも無かったのであった。
また一族の中には、傀儡として不知火を擁立して・・・ザーボンの失脚を企てようとする輩もおり、
そのことが、時にふたりの間を・・・変にややこしくさせる事態にもなっていて、見えない確執もあるようだ。
ひさしぶりに気分がよかったので、普段は引き篭もりがちの生活をしていた不知火だったが、
少し足を伸ばして、懐かしいこの船へと遊びに来たのである・・・。
不知火 「ここは、あの頃と同じ匂いがまだ残っているなぁ~父さまや兄さまと一緒に遊んだあの頃と・・・」
何をするでもなかったのだが、幼い頃の思い出に浸りながら~あっちの椅子にかけたり、
こっちのソファーで寝転がってみたりと、自分の記憶をたどり・・・それを心行くまで満喫していた。
・・・すると、その時~この大切な時間を割って入ってくる " もの " の気配を感じとったのである。
この貴重なひと時に何事かと思い、キャビンを出て外の様子を伺ってみると、
そこに見知らぬひとりの・・・美しい大人の女性が立っていた。。。
※ " 彼 " の目に飛び込んできたのは、最初はモノクロであった女性だったが、やがて色鮮やかに・・・
そこにいたのは、社長であるザーボンに用事を頼まれてやってきた秘書の " カリン " である。
もちろん、このふたりがこうして出会うのはこれが初めてであって、
お互いなんとなくその存在は認識していたのではあるが、実際に会った事はまだなかったのであった。
カリン 「あら、ごめんなさい・・・誰もいないと思っていたので、勝手に上がってしまったけれど、
貴方は確か、社長の弟さんの " 不知火 " さんね、はじめましてわたしは秘書の " カリン " といいます。」
不知火 「・・・。」
不知火とて、このカリンという女性が兄さまの秘書であり、また " 愛人 " でもあるという話は知っていた。
ただ・・・いままで、周りにいなかった大人の女性であり、どこか母を連想させるこのカリンが、
今後の " 彼 " の運命を大きく変えていくとは、この時点の不知火には、全く予想できないことであった。
・・・つづく。
ナレーション 「・・・ついに登場したっす、 " 彼 " こと~あのザーボンの異母弟である " 不知火 " w
まだまだ、いろいろと秘められた事情があり、明らかにされていない設定があるとは思いますが、
これからの " 彼 " の動向にも、ちょっと注目しておきたいところですね ^^; ←そなの?
運命的な出会いをした " 不知火 " と " カリン " は今後どうなっていくのでしょうか?
そして、ザーボンとの関係はいったい?・・・ますます当初の予定から逸脱していくような~っ ^^ ←おい
ではでは、またここで~この時間に・・・お会いすることにいたしましょう ♪ 」
※ キャラが増えるたびに、また本筋から脱線するというのに~ホントに懲りない作者さまですなぁ w (謎)
" ゆーいち " ・・・って?
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・・・ども、かれこれまた半年が経ってしまいましたね~ってことで、例の如く更新しちゃいます
(謎)ブログを更新するにあたって、SS撮って加工しないといけなくなったんで・・・約5ヶ月振りにINしました
w5月くらいにラキボの前で落としたままだったのですが・・・まぁ~すっかり更地になった場所にポツンと ♪ ※ 神出...
13 年前
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