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2010年2月27日土曜日

不知火

その青年は、たまにぷら~っとこの港町に来て、のんびりと辺りをぶらつきながら散歩するのが好きだった。

生暖かい潮風を受けながら、港に隣接する広場にあるステージと噴水の間を抜けていけば・・・
孤独な " " の遊び場でもあり、また心落ち着ける場所である " 大型クルーザー " が見えてくるのだ。



※ 元は父の所有であったこの帆船も、いまは兄が譲り受けていて、来る機会も極端に減ることとなった。


 " " の名前は " 不知火 " といい、ザーボンにとって年の離れた異母弟にあたる・・・。

生前に、ザーボンの父が外で " 愛人 " にうませた子を強引に引き取り、溺愛して育てたという訳である。


しかし、その実の父である先代当主もいまは亡く・・・実の母親とは幼い頃に別れたきり一度も会っていない。


けして、ザーボンとは兄弟仲が悪いことはなかったのだが、あぁいう忙しい毎日を送っているので、

この不知火とは、すれ違いの日々で~もう何日もまともに口を利くことも無かったのであった。


また一族の中には、傀儡として不知火を擁立して・・・ザーボンの失脚を企てようとする輩もおり、

そのことが、時にふたりの間を・・・変にややこしくさせる事態にもなっていて、見えない確執もあるようだ。



ひさしぶりに気分がよかったので、普段は引き篭もりがちの生活をしていた不知火だったが、

少し足を伸ばして、懐かしいこの船へと遊びに来たのである・・・。


不知火 「ここは、あの頃と同じ匂いがまだ残っているなぁ~父さまや兄さまと一緒に遊んだあの頃と・・・」


何をするでもなかったのだが、幼い頃の思い出に浸りながら~あっちの椅子にかけたり、

こっちのソファーで寝転がってみたりと、自分の記憶をたどり・・・それを心行くまで満喫していた。



・・・すると、その時~この大切な時間を割って入ってくる " もの " の気配を感じとったのである。


この貴重なひと時に何事かと思い、キャビンを出て外の様子を伺ってみると、

そこに見知らぬひとりの・・・美しい大人の女性が立っていた。。。



※  " " の目に飛び込んできたのは、最初はモノクロであった女性だったが、やがて色鮮やかに・・・


そこにいたのは、社長であるザーボンに用事を頼まれてやってきた秘書の " カリン " である。


もちろん、このふたりがこうして出会うのはこれが初めてであって、

お互いなんとなくその存在は認識していたのではあるが、実際に会った事はまだなかったのであった。


カリン 「あら、ごめんなさい・・・誰もいないと思っていたので、勝手に上がってしまったけれど、

貴方は確か、社長の弟さんの " 不知火 " さんね、はじめましてわたしは秘書の " カリン " といいます。」


不知火 「・・・。」


不知火とて、このカリンという女性が兄さまの秘書であり、また " 愛人 " でもあるという話は知っていた。


ただ・・・いままで、周りにいなかった大人の女性であり、どこか母を連想させるこのカリンが、

今後の " " の運命を大きく変えていくとは、この時点の不知火には、全く予想できないことであった。




・・・つづく。




ナレーション 「・・・ついに登場したっす、 " " こと~あのザーボンの異母弟である " 不知火 " w


まだまだ、いろいろと秘められた事情があり、明らかにされていない設定があるとは思いますが、

これからの " " の動向にも、ちょっと注目しておきたいところですね ^^;  ←そなの?


運命的な出会いをした " 不知火 " と " カリン " は今後どうなっていくのでしょうか?

そして、ザーボンとの関係はいったい?・・・ますます当初の予定から逸脱していくような~っ ^^  ←おい


ではでは、またここで~この時間に・・・お会いすることにいたしましょう ♪ 」


※ キャラが増えるたびに、また本筋から脱線するというのに~ホントに懲りない作者さまですなぁ w (謎)

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